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17.5 畳(例:キッチン・LDK 約12 畳+洗面・お風呂・トイレ)の断熱リフォームと水回りの改修で498 万円という基本パッケージ。そこにインテリアも含めた間取り提案をしていきます。
最初の打ち合わせで、ハウス・イン・ハウスの考え方や基本プランの説明を聞かれたA 様は、「これなら自分たちの要望が叶うかも」と感じたといいます。その後、現地調査を行い、家全体の間取り図を起こし、改修の基本計画を立てた上で、2 回目の打ち合わせではインテリアコーディネーターも加わり、現在の暮らし方と将来の暮らし方を提案しました。
3 回目の打ち合わせにて、間取りを若干変更して将来1階で生活全てを完結できるプランを提案。これにはA 様も満足頂けたようで、そのまま商談は進み、正式契約となりました。請負金額は、基本パッケージの498万円から、最終的には1,200万円へと大幅に増えました。私どもでは、今後のハウス・イン・ハウスの展開において、平均800 万円程の受注額になるものと予測しています。
施工の流れについても触れておきます。
まず、現場調査では、既存住宅の構造体と部屋内寸法から図面をおこし、現況図面と計画図を引いていきます。断熱工事では、壁にはオリジナルパネルを既存仕上げの上から柱や間柱等に固定し、床材も現況の仕上げの上に施工、天井も同じくオリジナル断熱材にて行います。また、見本パッケージのようなシンプルなプランの場合は、住み続けながらの施工が可能です。
ハウス・イン・ハウスの肝ともいえるのが、
施工性の良さと工期短縮に加え、ハニカム効果によって構造補強も期待できるという代物です。壁・床・天井の断熱工事を終えた後、既存サッシ部分の部屋内側に断熱サッシインプラスを施します。
仕上精度の善し悪しを左右する最も重要なポイントは現地調査の質です。ハウス・イン・ハウスでは、この現地調査ノウハウとともに、図面起こしと概算見積と必要工期の設定が一連で行える専用ソフトが整っています。そのため、お客様の多様なニーズに応えるプランを、スピーディに提案することが可能です。
ハウス・イン・ハウスに興味をもたれるお客様との商談においては、当初水廻り営繕をお考えだったものの、断熱リフォームによる生活環境の改善をご提案する中で、部分改修、さらには全棟改修の検討へと発展していくケースが多くあります。
重要なことは、営繕を検討するお客様が、経済的制約からそれを選択されたとは限らないということです。それは我々の思い込みに過ぎません。
依頼する業者によっては、このような低コストでこれだけ付加価値の高いリフォームができる――ハウス・イン・ハウスによる提案を受け、そのような認識を持ったお客様の中には、今後の住生活の充実について真剣に考えはじめる方が少なからずいらっしゃいます。
各々の経済状況やモチベーションの高まりに応じ、営繕より部分良築、部分良築より全棟良築、さらには全棟良築の価格とほぼ変わらなくなる高気密・高断熱の家(R+house など)への建替え、といった具合にグレードアップが図られます。ハウス・イン・ハウスの商談では、当初3組のお客様のうち、2組が新築案件に移行しています。
こうしたお客様に共通するのは、それなりの予算を割くことが可能でありながら、最初の段階では、全棟改築や新築を選択肢の一つとして想定されていないということです。新築の広告やチラシ、イベントには関心を払われないため、戸建住宅のみをラインナップした事業活動では、なかなか出会うことのできないお客様といえるでしょう。
営繕相談を入り口に、新築や全棟改修など、大きな受注に繋げる事が可能になる――これもハウス・イン・ハウス事業の大きな魅力の一つです。
ハウス・イン・ハウスはこの4 月より全国の住宅会社様、建設会社様の賛同を募って全国展開をしていきます。ひとまず4 月に限定30 社様を募集させて頂き、そのフロンティア会員様との実績作り、営業ノウハウや現場ノウハウの蓄積を進めた上で、今年10 月頃に一般公開する予定です。
本誌においても、今後、ハウス・イン・ハウスプロジェクトの展開について、適宜ご報告をさせて頂きたいと思います。ぜひご期待下さい。(福島)
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