81%が「対策は何もしていない」・・・・・・相続意識調査から読む今後の市場動向~社会問題となりつつある相続トラブル、不動産会社が果たすべき役割とビジネスチャンスとは?~

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資産は自分・夫婦で使いたいが半数以上

昨年3 月に成立した「所得税法等の一部を改正する法律案」により、2015 年1 月以降に発生する相続について、基礎控除の縮小や税率構造の見直しなど、大幅に税制が変更されます。

まさに過渡的段階ともいえる現在の市場の状況を掴むべく、当社は本年2 月、相続に関する意識調査を実施。20 歳以上の男女2,058 名から回答を得ました。本稿では、その結果から浮かび上がる様々な課題やビジネスチャンスについてご紹介したいと思います。

図表1、2

まず、被相続人(財産を渡す側)を対象に、相続財産に対する考えを尋ねた結果が図表1 です。「出来る限り配偶者には残したい」(47.9%)が最も割合が高く、それに次いで「出来る限り子どもには残したい」(31.8%)、「出来る限り自分で使い切りたい」(9.9%)という結果となりました。

次に、そのように考える理由を聞いたところ(図表2)、最も割合が高かったのは「自分の資産は自分(および配偶者)で使いたいから」の40.4%。次に多かったのは、「相続争いの原因を作りたくないから」(30.5%)でした。背景には、子供たちのことを考えトラブルの種になるような資産を残したくないとの想いがあるようです。

図表3

また相続に際し、揉め事は起こらないと思うかどうかを聞いたところ、「起こらないと思う(34.4%)」「おそらく起こらないと思う(48.1%)」を合わせて8 割強という結果でした(図表3)。

8 割強が何も相続対策を行っていない

図表4

相続対策について尋ねた問では、「何もしていない」が81.0%と圧倒的な割合になりました(図表4)。その理由として、半数以上が、「対策するほどの資産が無いから」を挙げています(図表5)

図表5
図表6

相続相談を誰にしているか(しようと思うか)を聞いた問(図表6)では、「誰に相談したら良いかわからない」という方の数が、それに次ぐ「血縁者」「弁護士」を圧倒しています。相談すべき対象が見当たらず、結果的に何もしていないという構図が見て取れます。

相続意識調査の結果から浮かび上がる課題

上記のアンケート結果をまとめると、一般の方の相続に対する以下のような意識が浮かび上がってきます。

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