シリーズ 眼を養う#004 R+house住宅のデザインを探る

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私は住宅では個性を表現したいと考えています。住まい手の活き活きとした生活を間取りに反映し、住まい手のキャラクターを外観や内観のデザインに表現することを目指していて、生活を手掛かりに住宅の個性を表現していると言えます。

しかし、この住宅はモデルハウスであったため、ターゲット層は想定するものの、前述のようなリアルな生活がなかったため、周辺環境に設計の手掛かりを求めました。

敷地は大規模な住宅分譲地の一角で、ハウスメーカーの住宅が建ち並んでおり、色や構成に変化はあるものの、工業製品であるサイディング貼りの外壁をもつ単調な住宅が並んでいる印象でした。

この住宅では素材とディテールにこだわることで、周辺の住宅に対して差別化を図ることを考えました。具体的にはガルバリウム鋼板(外壁)や木材(内部造作)等の現場で加工できる材料を用いて、職人さんに現場で納めてもらうようなディテールを採用しています。

それにより、工業製品の組み合わせでは出せない繊細な表現が可能となり、周辺の住宅にはない個性が生まれたと感じています。その個性が感度の高いお客様を惹きつけ、モデルハウスとしての役割を果たすことを期待しています。

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働き幅を調整し、目地のラインを美しく通したガルバリウムの外壁

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シンプルな構成としながらも素材とディテールをこだわることで周辺の住宅と差別化を図っている

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やさしく空間を仕切る造作で作成した
木製ルーバー

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無駄な要素を削ぎ落したシンプルな階段

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