第1回ハウスINハウス全国大会 レポート
~工務店が目指すべきリフォーム事業の形~

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先行取り組み事例の紹介~基本行動の実践成果~

当日は、3社の事業者様から、先行事例の成果報告を発表いただきました。うち基本動作の構築とその確実な実践による成果をご報告いただいたのは、(株)ハウス・イン・ハウス(香川県高松市)様と、(有)エーシン(長野県茅野市)様の2社の事例でありました。

(株)ハウス・イン・ハウス様では、2014年3月の事業立ち上げ以降、1名の専任営業マンで15ヶ月で1億4千万円の売上規模を実現されています。ハウスINハウス完成現地見学会や賢いリフォーム相談会を着実に継続的に実施した結果、8件のハウスINハウス受注実績を積み上げられました。基本的な手順を実践すれば受注は獲得できるということが示されただけでなく、実は、同じ期間の受注実績はハウスINハウスだけでなく新築受注や断熱以外のリフォーム受注など多岐にわたるなかで、リフォーム受注全体の平均受注額が316万円のところ、ハウスINハウスの平均受注額は約750万円となっている点にも注目できます。ハウスINハウス事業は将来の新築補完事業としてその可能性も感じることができる事例が紹介されました。

また、(有)エーシン様の事例でも、兼任体制にもかかわらず2014年9月に事業を立ち上げから、わずか9ヶ月で4件のハウスINハウス受注を残されました。当初は、元々修繕・リフォーム事業を取り組んでいた経験からセールスステップの徹底ができず、集客は出来るけれども受注にはいたらない状況だったそうですが、(株)ハウス・イン・ハウスの基本取組をベンチマーキングし、専任担当をおき、社長宅を自らハウスINハウス工事を施し体感会会場にし、賢いリフォーム相談会を開催するなどの取り組みを着実に実践された結果、徐々に実績がでたそうです。

ネットワーク各社の取り組み事例の研究から作り上げられたセールスステップですが、それを確実に継続的に取り組まれることで実績が積み上がる良い事例が顕在化して参りました。

住宅会社のとるべき方向性

3社目の事例である福山建築(鳥取県三朝町)様の事例では、商圏人口3万人足らずという市場環境下にもかかわらず、ハウスINハウス事業活動による営業派生効果の大きさについて報告いただきました。福山建築ではもともと施工請負から新築元請、そしてリフォームの元請と事業領域と業績を拡大されてきました。ハウスINハウス事業導入後、賢いリフォーム相談会を2ヶ月に1回ペースとなる6回にわたり継続開催をされ、結果としてハウスINハウスは1件ながら800万円の受注実績(追客中2組)を残すとともに、相談会で接触したお客様からのトータル受注は1億円を超える成果に繋がりました。ハウスINハウス営業が目的の一つであることは間違いないのですが、漠然とした検討段階のお客様に断熱がもたらす健康な暮らしへの効果をきちんと伝えることができていることで、高性能新築受注も並行して受注できるなど、結果として大きな商談を生み出しているといえます

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あらたな得意分野の確立と、地域密着市場における
ワンストップ化という方向性

今回の事例を起点として、閉会の挨拶として代表の濱村から2つのメッセージが示されました。

少子化や高齢化、あるいは若年層の低所得化など、住宅市場に起こる構造的な環境変化に対応する為に、新築事業だけといった事業構造から複層的な構造にしてゆく必要があり、そのなかで一つ一つの事業をきちんと確立したものにする必要があります。そこで1つめのメッセージとして、今回の3社の事例のように、まずは断熱性能という競合の少ない切り口のハウスINハウス事業を「自社の得意分野」として確立する事、そして、二つ目として、確立した複数の事業を総合的に活かして、ワンストップ窓口として「漠然とした検討段階」の消費者に対する多様なソリューション提供を行うことが、地域密着型の住宅会社、ひいては住宅不動産事業に求められるという点です。

ハウスINハウス事業は、高齢世帯に健康を提供するという社会的な意義をもち、採用企業にとって高い収益性を期待できる、これまでにないリフォーム事業として加盟各社の成長に貢献することはもちろん、将来の市場構造に対応する為の新たな仕組みを確立する重要なツールでもあります。今後もこのビジネスモデルの拡大と研鑽をいっしょに取り組んでまいりたいと考えております。

(池山/矢部)
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