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住宅を設計する時に気をつけているのは、家族の誰もが居場所を作れる建物にするということです。一緒に暮らしていても、それぞれが居心地の良い場所というものは少しずつ違うはずです。
ヒアリングにはできるだけ時間をかけてどんな居場所が必要なのかを一緒に考えていきます。建て主さんはリビングとか寝室とか趣味の部屋とか、分かりやすい場所がそうだと思っていることが多いですが、実際には分かりやすい名前の付かない「隙間の空間」や「目的のあいまいな空間」こそが、そういった居場所になりやすいものです。そういった場所をさりげなく作っておく事が、住まい手の年齢や人数が変化していく住宅においては大事だと考えています。
また、「人のつながり方」=「空間のつながり方」だと思いますので、視線のコントロールには特に気を使っています。全てが見えた方が良いわけではありませんが、全部区切って隠してしまうのはつまらないし、日本の風土・文化にも合わない気がしています。
大きな空間の中に内包される小さな空間の位置関係と視線の量をコントロールすること、これが住宅におけるひとつの有力な解法ではないかと思っています。