シリーズ眼を養う#013
R+house 住宅のデザインを探る

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四月初旬、敷地を見に行きました。敷地の南側には今にも小動物が飛び出してきそうな森があり、とても澄んだ空気の場所でした。

敷地に立ち、今から建つ建物のボリュームと顔をイメージしました。どこから見るのがベストなアングルなのだろう、どうすれば敷地を無駄なく使えるだろう、そんな事を考えながらいつもヒアリングに臨みます。お施主様はとても仲の良いご夫婦で、テーマは「家族、時々猫、たまに薪ストーブ」という事で愛らしい家を好まれておりました。

そこから導き出された私のストーリーは、玄関ドアを開けるとまっすぐに土間が続き、ここはマキ置き場としてマキを見せ飾る部分でもあり、窓は上げ下げ窓、ゲストを迎え入れる十分な広さもあります。そしていくつかのアーチが緩く場面を区切ります。アーチをくぐってリビングに入ると南には大きな開口があり、見上げると吹抜、そして梁をわたる猫。2階のブリッジからも森を眺められ、夜には星空も望める事でしょう。

そんな風に立地条件と要望から、ストーリーをたて間取りを組み立てていく、好きな物をもっと好きになれるように、魅力のある条件は最大限生かす事を心がけて設計にあたります。

外観も考え方は同じなのですが、配慮するのはボリュームや素材、そして凹凸のバランス。例えば板張りの部分はその面でどの大きさが心地良いのだろうと、そして窓はリズムがあるように配置します。家族で過ごす大切な時間を暖かく包むような建物になる事が願いです。

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