シリーズ眼を養う#015
R+house 住宅のデザインを探る

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 飯塚 一樹  イイヅカカズキ建築事務所

今回の計画地は幹線道路沿いにあり、小さい子供を遊ばせるには怖いという事と、まわりは建物が密集し、マンションもある事から、周囲の視線と上からの視線にも配慮しながら陽が落ちるプライベートな内部空間を作り、且つ、お母さんの目の届く範囲で安心安全に子供たちがのびのびと笑顔あふれる明るい豊かな家族の物語を作れたらと考えた。

さらに、奥様の為の美容室スペースを作ることになり、お客さんと家族の導線、ゾーニングをしっかり分ける事でプライベートな空間を確保しつつ、仕事をしながら子供にも目が届き、気配も感じられる家ができたらと考え、美容室と住宅と外を繋ぐ装置として中庭を設けた。また、住宅内部では外部からの視線を気にせずとも陽が差し込み、広がりと解放感を感じ取れる装置として、また、キッチンやリビングと子供室やピアノコーナーを繋ぐ装置として大きな吹き抜けを設けた。

私が常に心掛けていることは「もの」づくりではなく「こと」づくり。家族の中に流れる時間やストーリーを提案できたのではないかと考えている。また、今回の物件は工務店さんにとっては記念すべきR+house一棟目であり、会社を立ち上げて記念すべき一棟目でもあった。お客さんも工務店さんも期待と手探りの中、お互いが良いものを作りたいという気持ちのこもった家ができた。

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