CMS(コスト・マネジメント・システム)ご導入成果事例紹介
〜コストダウンは仕組みの導入が始まり。改善の取り組みに終わりはない〜

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はじめに

2015年、積算・原価管理レベルの革新的な取り組み方の変更によって、購買価格の更なる低減と見えにくい部分のコスト撲滅を実現する為に生まれたCMS(コスト・マネジメント・システム)。今回は、この仕組みを用いて大きな成果を出したある住宅会社を紹介します。

CMSご導入成果事例のご紹介

▪ 粗利36%からの原価改善

「コストダウンの追求に限界はない」と仰るのは、この1年半、原価改善の取り組みによって粗利率を2%改善することに成功したU社のY社長です。社員6名で年間35棟もの注文住宅を販売する同社は、もともとCMS導入前から粗利率が36%程度と高い水準にありましたが、それで満足することなくさらに2%の改善に成功したのです。36%という他社が羨むほどの粗利率を確保していたにも関わらず、そんなU社が原価管理・原価改善の取り組みを始めたのはどうしてでしょうか。

▪ 受注金額減少への危機感

「来年以降、1棟当たりの受注金額は必ず下がってくる。」

原価改善に取り組む前から粗利率36%を確保していたものの、Y社長はお客様と会話をする度にこのような状況変化を感じ、不安を抱えていたそうです。そもそもU社が粗利率36%を確保できていた理由は2つありました。1つは、近隣に大企業が位置していることもあり平均年収が600万円程度の高所得者層をターゲットにできたということ。そしてもう1つは、受注時に決して安請け合いをせず、値引きもせず、自社の提示する価格を受け入れてもらえる顧客だけ追客していること、なのだそうです。いわば、自社商品の価値を評価してくれる顧客をU社で選べる立場にあったということです。

それが近年、ローン金利の低下等に伴い購買層が若年化、それと共に顧客層が中・低所得層に推移していることを実感していたと言います。お客様との会話の中でもその変化は顕著に表れ、今後の受注単価の低下を覚悟せざるを得ない状態であったとも言います。Y社長は将来を見据えた時、この受注単価の低減に強い危機感を覚え、粗利をきちんと確保していくことを真剣に考え始めたのだそうです。

▪ コスト・マネジメント・システム(CMS)との出会い

原価改善と言うと下請けに対してコストカットを迫り原価削減を図るというイメージが強いのですが、U社は決してそんなことをして粗利を改善しているわけでありません。

家づくりについて信念を持って取り組んでいるY社長は「原価改善は職人を泣かせることではない。そんなことをしてコストカットしても長続きしない。結果的に良い現場にはならない。」と語気を強めます。では何をしたのでしょうか? ポイントは、Y社長が今まで感覚的に行ってきた原価管理方法を、CMSの考え方に則って見直していったことにあります(図表1)。

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