ハイアス・アンド・カンパニーがお届けする、住宅・土木・不動産業界の経営革新情報サイト
(ページ:1/2)
左「Aさん、明日29日に現場納品予定のタイルは何時に現場に入るの?」
A「ええっと…。確認します!」
「まずいなぁ。発注をしたのが25日だったって言えないし。間に合うかな。ちょっと割高だけと特急便でって念押ししよう」
そもそもAさんが現場への材料搬入が間に合うかどうかわからない日程で、しかも割高料金で発注することになったのはなぜでしょう。
実はこの「ズレ」はその前から始まっていたのです。
その2週間前。
A「お客様、キッチンのタイルの色見本です。この3色からお選びいただけます。ご決定は3日後の18日にお伺いします。よろしくお願いします」
客「わかりました。短い時間ですけど色々悩んで決めます(笑)」
このやり取りの後、Aさんは他の現場での問題ですっかり手間が取られてしまい、お客様に電話するという業務が「モレ」てしまい、ご意向を伺えたのは自分の休日を挟んで18日から遅れること5日、23日になってからでした。
A「左官さんには29日に現場に入ってと伝えてあったな。なんとか間に合いそうだ」
そう思いホッとしたAさんでしたが、また別の現場対応に時間が取られる事態が発生し、結局発注は25日になったのでした。
冒頭のAさんの例のように、個人の経験や差配に頼って業務が進められたことで生じる「ミス・モレ・ズレ」が原因となって、手戻りや非効率な工程進行が一つの現場で発生すると、その影響はその現場だけでは終わりません。問題が積み重なることで複数の現場で業務 ロスが生じ、結果として企業全体の生産性を押し下げ ます。
一つの工事で組まれる工程において、現場監督(工事担当者)が行うべきタスク(業務)は250以上に分解されると言われています。
しかし、担当者が抱えるこのような膨大な数のタスク(業務)が適時・適切に行われているかの確認や管理を「適正な標準工程」と「それに基づいていつどの業務を完了すべきか」というレベルで管理を行っている住宅会社は多くありません。250以上もの膨大な業務は現場監督(工事担当者)の経験値によって進められることが多いため、結果的に本来行うべきタスク(業務)をミスしたり業務自体が漏れたり、あるいは適時に行われない、といった「ミス・モレ・ズレ」が発生し、しかもそれが発覚しにくいのです。
page: p1 p2