ハイアス総研レポートNo.11
人口減少などの社会構造の変化、地方経済の衰退、人材不足・・・
こうした環境変化に対し、地域における 建設業はどのように変わるべきか?
識者に聞く、「これからの建設業のあるべき姿と可能性」

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Q 最後に。
これからの建設業のあるべき姿と可能性についてお聞かせください。

赤井)地方に行けば行くほど少子高齢化だとか、ストックの老朽化であるとか、賑わいを取り戻すためのニーズであるとか、仕事の場を作るとか様々な期待が実際にあります。そこで地域の資源を生かした新しい産業の創業をやろうとした時、実はそれを担う受け皿としての役割を誰がやるかについてはまだオープンなのだと思っています。もちろんその中で建設業は担い手としてより期待される位置にいるとは思いますが。
この先、もし建設業が地方創生まちづくりの担い手として実際のまちづくりにかかわっていくとした時、課題の解決にあたって多様なノウハウや情報を習得し、各地の成功事例を学ぶことが最初のステップになります。

安成)赤井先生の話を受けて、私が考えていることは、安成工務店が20年近く取り組んできた土地活用、主に商業開発と医療開発の仕事を通じて蓄積したノウハウは全部、他の必要とする会社へ出していこうと思っています。その理由は、まだ私たちが持ってない公共と連携したまちづくりや公共施設管理などをもっと学び取って行きたいからです。もし、まちづくりを志向する建設業者のネットワークが出来たら、私たち自身、もっと成長できると感じているからです。建設企業がお互いに学び合い高めあうことで、建設産業の50年後の姿はもっと良い方向に変化して行き、そして街も変わってゆくはずだと感じています。
あと、手法でとても大切なことだと思うのは、難しい勉強だけしてチャンスが来たらやろうと言ってもチャンスは都合よく来ないということです。身近な空いている土地を有効活用し、建築や土木の受注工事にすることが重要です。その建物を所有するチャンスが同時に来れば、それを管理することで、管理運営を学ぶ。そういうビジネス自体を成立させることこそ大事だと思うのです。建設業としてビジネスが成り立つからこそ、それを繰り返すことで、地域の活性化や、地方創生に貢献できるチャンスを待つことが出来ると考えます。

赤井)その通りですね。ぜひそうした取り組みを、産官学の枠組みを超えて進めていきたいと考えています。

(ハイアス総研 矢部)

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