「売れる家」の作法とは…顧客と社会が必要としているものを顧客の理想にフィットさせる。増加する低年収ファスト層を顧客とするための高性能・デザイナーズ規格住宅事業
~セレクト住宅システムADM(アーキテクチャル・デザイナーズ・マーケット)~

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今回のタイトルの書き出し「売れる家の作法」は「住宅産業大予測2018」(新建ハウジング編集・新建新聞社発行)に新建新聞社の社長三浦氏が書かれたメッセージをもとにしています。三浦氏は同誌の中で「顧客の欲しい家・買える家を売る“マーケットイン”と自社の理想の家をつくる“プロダクトアウト”を融合した“マーケットアウト“の考え方を基本としています。マーケットアウトとは顧客の欲しい家・買いやすい家、そして最新のトレンドを知った上で(=顧客視点)、自社の理念やコンセプトをベースに、「売れる」理想の家を再構築すること」と述べられています。

この考え方は私たちハイアスにも共通するものです。住む人の健康や省エネルギーを実現するという社会の要請に応えながら、気に入ったデザインと暮らしやすさを備えた「顧客が欲しくなる家」を手に入れたい、しかしそのお金を十分に出せない、そんな顧客でも買える家をいかに実現するかを考えた先に行き着いたのがADM(アーキテクチャル・デザイナーズ・マーケット)です。

三浦氏が語る「売れる」理想の家を再構築するとは…
「売れる家」を商品開発する基本

「住宅産業大予測2018」の中で、三浦氏は売れる家(商品)を開発するにあたっての基本として以下のような点を挙げています。

1 洗脳できるレベルの明確なコンセプトを
2 程よい価格と尖る強みのバランスを

これらの基本に通じる「基礎知識」の中で特に受け止めておくべきことは

● ものさしを持たないふつうの人にものさしをすり込む=フレーミング
● 一定レベル以上を「全棟」標準化する。ZEH以上の温熱性能、耐震等級3、
 耐久性仕様
● 設計の手法・プロセスの標準化。標準化や過去図面の活用で効率よくプラン
● 買いやすさの山は2つ。2割の2,800万円、8割のアンダー2,000万円

さらに、こうした基本を実現する上での価格戦略として「買いやすい価格からの逆算で商品を開発」することを
提案されています。

ご存知の通り、ここ20年で給与所得者の平均給与所得が低下していることはすでに報じられているとおりです。この給与所得低下に加え、年金や介護保険料の負担増、消費税負担や電気代など日常生活に関わる生活費支出増が重なることで、住宅支出にお金を回しにくい、あるいは回せない世帯が増えています。ただ、三浦氏も指摘するように、こうした顧客層が求める住まいは決して安かろう悪かろうの住まいではありません。むしろ「長く使い続けることができる良いものを」、「安く」、しかも「手間なく」手に入れたいと考える顧客層です。「顧客視点を盛り込んだ、顧客の欲しい家・買える家を商品化する」ことはまさに生き残りをかけた工務店の次世代戦略と言えます。

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