シリーズ眼を養う#024
R+house 住宅のデザインを探る

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赤松 純子

fantasticdesign

敷地に立ってぐるりと見渡すと、写真からでは読み取れない、立体感を持った感覚を得ることが出来る。
さぁ、この感覚をどう立ち上げていこうか、とワクワクする瞬間でもある。

ここは、道路からボトルネック状に奥まった敷地。
東から南は、隣家の壁が迫り、圧迫感を感じる一方で、
西から北西にかけては、3m幅の細い水路が通っており、光と風が抜ける環境。
この広がりを使わない手はない、と南面信仰は捨て、北西の水路にむけて開く間取りとした。

数学科を出られたご夫妻らしく、合理性と機能性を兼ね備えた住まいを、との要望。
共働きゆえ、毎日の多忙な日々の助けになる家事動線や、適材適所の収納スペース、
家族皆で過ごす広々LDKや、家族の傍ら仕事のできるフリーアドレス的なスペース。
一方で、プライバシーも大事にしたい、と眠りの浅い奥様からの切なる要望も。

そこで1Fから2Fへかけて、ゆるやかに空間のプライバシー濃度を変えていくこととし、
限られた坪数を有効利用するために、機能を重ねること、時間差での利用=朝夜・平日休日で用途を変えることで、空間を有効利用する間取りとした。

この家の中で、ご家族各々の居心地のいい場所を沢山見付けてほしいと思う。
この家の隅々まで、寛いで、楽しんで、味わい尽くして欲しいと思う。

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