シリーズ眼を養う#024
R+house 住宅のデザインを探る

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中田 啓予

ナカタヒロヨスタジオ

親世帯の住む母屋の隣に子世帯の住宅を計画しました。周辺は古くからの入母屋造の農家住宅が建ち、それぞれ の敷地にぐるりとブロック塀が囲んでいます。細い路地の両側に経年変化したブロック塀が建ち、視線は道の先へと誘われます。その視線の先にぽかっと開けた場所が建築場所でした。周辺環境 のなかでアイストップとなり、親やご近所の方からも若い世帯が暖かく見守ってもら えるような建物でありたいと考えました。

プランとしてはコンパクトで合理的な平面計画としました。必要最低限の間仕切りのワンルーム空間とし、大きな吹抜けで上下階も一体的に使うことで、家族が別々のことをしていてもそれぞれの時間を邪魔しないような、つかず離れずの良い距離感が生まれるように計画しています。

またパッシブデザインにも配慮し、南東の1/4の部分を吹抜けとし、大きく開口部を設け日射取得率を高めました。日射により冬場はぽかぽかと暖かく、明るく家全体を温めてくれることでしょう。夏場の日射遮蔽の対策として軒の出と袖壁を設けるとともに外部ブラインドを設置しています。外部ブラインドの採用によって周囲の視線をカットしプライバシーを守りながらも、風を取込み、日射を調節し、外部空間を取り込んで解放感のある空間となるよう計画しました。

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