「新・建設業 まちづくり研究会 最終とりまとめ」
建設業の新たな成長業態を探る取り組みが スタートしました
〜地域建設業がまちづくりの担い手になるために〜

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2018年5月31日、ハイアスのシンクタンク機能であるハイアス総研が事務局を務める「新・建設業まちづくり研究会」から、ここまでの議論をまとめた最終とりまとめがリリースされました。

最終とりまとめの骨子
地域経済の活性化や成長に貢献。その役割を担う企業となるために

最終とりまとめでは、地域の建設業を「地方都市に活性化をもたらす担い手不在という課題の克服を考えるにあたり、その担い手となるローカルプレーヤーの潜在的候補として期待される産業の一つ」と位置付けています。そして、この先も引き続き地域建設業者が有する建設工事技術を活かして地域密着型の産業として価値を発 揮するためには、地域経済の活性化や成長に貢献する新たな事業分野を自ら開拓、さらにその役割を持続可能なビジネスモデルとして確立、着実に担っていく力を身に付けることが期待されていると指摘しています。

とりまとめで示された課題

地域の建設業者の課題

(1)ファイナンス
 ◎長年続く建設投資額減少の影響を受け地域建設業の事業基盤の脆弱化
 ◎積極的な事業拡大やその後の継続性確保をするための調達可能資金の限界

(2)労働力
 ◎単なる施工管理部隊としての受け皿ではなく、まちづくりや開発計画といった創造的な仕事をしたいと考える学生の受け皿となる企業としての魅力づくり
 ◎限られた人材を、年間を通して平準化された業務量がある環境で活用した生産性向上の必要性

(3)情報
 ◎まちづくりに資するような開発用地の情報や公共施設の更新情報を継続的に入手する機会の創造
 ◎金融、不動産、権利関係を扱う士業、ディベロッパー等との情報交流ネットワーク形成

地方都市のまちづくり・地域経済活性化の課題

(1)新たな都市政策(都市経営)
 ◎人口減少と高齢者の増加と市街地の拡散による都市を支える機能の低下と地域経済の衰退、地方都市財政状況の悪化
 ◎解決手法のひとつとしての都市のコンパクト化をふまえたまちづくり
 ◎まちのスポンジ化現象への対応として、ハード面を中心とした新規建設のまちづくりから既存ストックを有効活用しながら主にソフト面を充実させるまちづくりへの事業領域の拡大

(2)公民連携と担い手育成
 ◎自治体は、様々な民間主体と役割を分担し有機的に連携しながらまちづくりを推進する必要
 ◎地方自治体の都市政策のもとで仕事が降りてくるのを待つのではなく、自らが企画開発したまちづくりのアイデア等を自治体に提案するなどして実現していく高い志と、それを持続可能なビジネスモデルとして確立し自治体と同じ目線でまちづくりに参画できる担い手の育成

この最終とりまとめでは、「本来の地域建設業が得意としている地域デザインの具現化(建てる、直す、変更する)を高い水準で維持しながら、その上で新たに魅力ある産業「新・建設業」となるためには、これまでの地域建設業では参入したくても参入することが難しかった「まちづくり」の領域において、新しい付加価値を創造できるビジネスモデルへの転換を図ることが必要」であると提言をしています。 具体的な取り組み事例や研究会としての提言の詳細はぜひリリースされている報告書をお読みください。

(ハイアス総研 矢部)

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