「住宅購入者調査(ハイアス・アンド・カンパニー、2018.06実施)」から
マーケティングの時代へ
住宅産業は本当に消費者の要望に応えられているのか?

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調査トピックス)注文住宅も建売住宅も、従来のサービス提供ではお客様の課題感や不安を解決していない

注目1

注文住宅の購入・検討理由は「間取りや内装など、自分の理想が実現できる」が最多、次いで「自分の納得できる家にすることができる」「自分の予算に合わせられる」が続きます。しかし、注文住宅を購入・検討する上での課題として「自由に設計するので金額が高くなる・なりそう」を筆頭に、「決めることが多く、手間がかかる」「知識がないので自分に合った家作りが出来るか自信がない」と続きます。

注目2

建売住宅の購入・検討理由では「価格が明示されている」が最多、次いで「間取りや内装が決まっていることで住んだ際のイメージがわく」「打ち合わせが少なく簡単」が続きます。しかし、建売住宅を購入・検討する上での課題は「間取りや内装が決められており、自分で決められない」「外観が似ている」「できることが少ない」が上位に挙げられます。

縮小の時代だからこそ問われるマーケティング

消費税増税の見込みから起こっている駆け込み後の反動や住宅需要世代の人口減少、年収問題など、この先の住宅建設市場を取り巻く環境は楽観できるものではありません。厳しい環境のもとで将来にわたって勝ち残るためには、顧客をよく見る、よく知る、つまりマーケティングの重要性がクローズアップされる時代に入ることをよく理解しておくことが大切です。
2018年6月から7月にかけて弊社が実施した「住宅購入者調査」の結果を見ると、住宅業界はまだまだマーケティング視点で自らの提供サービスや提供価値を高め ているとは言い難い実態が浮かび上がりました。逆に言えば、消費者が欲しいと思うコト、モノを欲しいように提供するために何ができるか?を考え、変えてゆくことで商売のチャンスを拡大できる状況だということだと考えられます。このレポートが読者の皆様のこの先の提供価値を考え直す契機になれば幸いです。

注目3

すべての住宅購入者に聞いた「大変だったフロー」では、「資金計画」「ローン手続き」「物件探し」「土地探し」が上位に挙がりました。注文住宅購入者に絞って聞くと全体で上位に入った「土地探し」に加え、「間取りや内装の選択」「住宅会社との家作りのための打ち合わせ時間の調整」を挙げています。一方、建売住宅購入者では「物件探し(価格・間取り・デザイン等)」が特に大変だったと感じられているようです。

マーケティングの集積こそが「ブランド構築」
消費者の要望に応える住宅企業であり続けることこそ生き残りの王道

人口や経済規模が右肩上がりの時代には、「良いもの」を創れればそれが評価され特段のプロモーションをしなくても購入者側が選択をしてくれました。しかし時代は変わりました。それだけでも従来のやり方は変えなくてはならないはずなのに、さらに今回の調査のように十分良いサービスが提供できていると思っていたのに、実は消費者はまだ不安に思っているという事実があります。
真のマーケティング発想で事業を進めるには、消費者が望むことを正しく捉え、人材確保や研究開発のための投資制約の中でいかに消費者の望みを叶える事業運営を実現する、そのための経営者の革新的な取り組みと工夫が必須です。そして、消費者の声を聞く姿勢とその声に応える続ける姿勢を持ち、そうした活動を具体的に発信する企業であることで、初めて「ブランド」は構築されます。これから始まる厳しい市場環境のもとで将来にわたって勝ち残るために、地域で確固たるブランドを築きましょう。ハイアスは今後も「そのためのお手伝い」をしてまいります。
調査概要は下記参照。
https://www.hyas.co.jp/corporate/news.php

(ハイアス総研 矢部)

*真のマーケティング発想を実現する住宅会社になるための具体策として、今号ではR+houseとADMをご紹介しています。詳しくは次ページを。

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