テクノロジーの進化と大相続時代の到来
テクノロジーの進化で仲介業は代替されてしまう総合ソリューションサービスと相談対応力向上を

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テクノロジーの進化という時代の変化

2018年7月に発行された『不動産政策研究 総論』の一節に『不動産テックが及ぼす不動産業界への影響(東京大学大学院 柳川教授)』と題した論説があります。今回は時代の変化を改めて確認するために、そこで示される不動産業の未来像を探る文章を引用してみます。
例えば、「ブロックチェーンやスマートコントラクトであれば、技術的に仲介業は代替されてしまう」という指摘です。つまり技術革新によってこれまであった仕事がな くなるという指摘です。一方で、「これからの技術革新に よって、より高度にできることを、いかに上手く広げてゆくかが重要になる。」とも指摘をしています。例えば、より詳細な情報を用いた不動産価値の評価やAIによる“より良い(好条件な)”取引相手の発見など、従来なら提供できなかった情報やサービスを可能にすることで仕事を高度化させることができるか、という指摘です。

大相続時代の到来という時代の変化

人口や世帯が増え続け、所得も伸び続けた時代の日本では、資産を築くことが目的であり求められた時代でした。築きあげられた個人資産の中で、特に大きなものは不動産資産です。結果として、高度成長期に築かれた個人資産は「平成時代における高齢者」に遍在し、日本の家計資産のうち約7割を高齢者層が保有している状況にあります。
将来、相続をきっかけに発生する世代間の資産移転の規模は平均で年間37兆円(2012,日本総研)とも言われています。巨大な不動産資産が動く相続の契機を捉えられるかは、不動産会社、特に地主や不動産オーナーと接点を持つ不動産業においては事業の持続可能性を分けるターニングポイントになると言えます。しかし、そこには大きな課題があります。それはスムーズな資産承継ができる社会になっていないということです。大相続時代を迎えるにあたって、多額の資産を持つ家族だけでなく普通のご家族にもスムーズな相続の実行を支援する役割を担う存在が必要に成ってくるのです。



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