アメリカの不動産、まちづくりの最新事情を知る
〜経営研究会特別補講2018秋 ボストン・ワシントンD.C.・ニューヨーク 〜

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訪米レポート3
BID(Business Improvement District:ビジネス改善地区)制度

ワシントンD.C.

ワシントンD.C.の中心部に古くからあるユニオンステーション駅周辺(北側)にあるNOMA地区というエリア を視察しました。
鉄道事業の衰退により、駅周辺のエリアは空地だらけでしたが、BID制度を利用して2007年に復活しました。
BID制度とは、こうした取り組みの財源を“BID TAX”という賦課金を地区内の不動産所有者から追加徴収して確保して、その財源をエリアマネジメント活動に活かすという制度です。
地主と周辺住民で協力して地域にある歴史や物理的要素や交通機関という特徴(街の資産)をベースに開発を始めました。これらを利用して、最初は“つなぐ”、その後に“SMART”をキャッチフレーズとして地域ブランドを作り上げていきました。
街のコンテンツとして最初にヨガスタジオ、次にビアガーデンをつくり人が多く集まるようになりました。更にコミュニティを広げようと2015年にはNOMA地区にフリーWi-Fiも整備されました。
取り組みの結果、この10年で街は変貌し、住む人が増えて不動産価値も大きく変化しました。

国内でも日本版BID制度が始まりました。これらの知見は地方創生を考えるうえでも重要な知見として、引き続き研究を続けてまいります。

今回の視察では、ウォーカブルアーバニズムという考え方によるプランニングとBID制度を活用した地域経営によるまちづくりの成功と、結果として不動産資産価値を向上させる事例を学びました。ハイアスでは、得た知見を日本の住宅・不動産市場で活かす策を具体化すべく、今後も皆様や生活者に役立つ商品、サービス開発に取り組んでまいります。

(安田/矢部)

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