ハイアス・アンド・カンパニーがお届けする、住宅・土木・不動産業界の経営革新情報サイト
(ページ:1/2)
皆さんは米国Hanley Wood社が提供している 『Custom Home』というインターネットサイト( https:// www.customhomeonline.com/ )や同社が出版する住宅プラン集(カタログ)雑誌をご存知でしょうか。
米国では宅地供給事業者が同時に建物を提供するいわゆる分譲事業モデルが主流で、その際に建てられるのはプロダクションホーム(いわゆる規格住宅)が主流です。では日本で言う注文住宅(これはカスタムホームと呼ばれます)を建てたいと思った際にどうするのでしょうか。実は、先ほどの『Custom Home』というサイトや住宅プラン集(カタログ)雑誌に収録されている家の中から気に入った家を見つけ、ネットで設計図を注文し、その 図面を施工業者に渡して家を建てるという選択が米国にはあります。
このように消費者が欲しいと思う建物を、時間的にも経済的にも合理的に建てたいという消費者に向けて、建築家によって練り上げられた良いプランを広めるHanley Wood社の『Custom Home』のようなプラットフォーム、ビジネスの存在が重要な要素なのです。
消費者から見て「欲しいと思うものを、時間的にも経済的にも合理的に手に入れる」ためにはどんなサービスが提供されているのが良い状況でしょうか。
例えば今の若者は車も買わないと言われていますが、もしクルマの購入をするとしたら、を考えてみましょう。そもそもワゴンタイプとかスポーツカーなどのタイプ別やどのメーカーのクルマを手に入れるかくらいは個々のライフスタイルやテイスト(価値観)で選ぶことができるでしょうが、オプションの付け方による値段の差は仮にさしてクルマに詳しくなくても仕様や価格といった情報が整理されたカタログのおかげでクルマ会社に聞かずとも自分ですぐに分かり、合理的な選択が可能になっています。
私たちが実施した「住宅購入者調査(2018.06実施)」でも、注文住宅を購入・検討する消費者は「間取りや内装など、自分の理想が実現できる」や「自分の予算に合わせられる」を理由に挙げながら、購入・検討における課題として「自由に設計するので金額が高くなる・なりそう」、「決めることが多く、手間がかかる」、「知識がないので自分に合った家作りが出来るか自信がない」という回答がありました。また、建売住宅を購入・検討する消費者は「価格が明示され」、「間取りや内装が決まっていて住んだ際のイメージがわく」、「打ち合わせが少なく簡単」と言いながら、購入・検討における課題に「自分で決められない」、「できることが少ない」という回答がありました。(HyAS View57号参考)これらを合わせると、「住んだ際のイメージがわく」プランから、「自分の予算に合わせ」たものを「少ない打ち合わせで簡単」な手順で選び、「自分の理想の間取りや内装を実現」したいということを消費者は言っているわけです。
page: p1 p2