地方創生まちづくりのヒントを探る
〜経営研究会特別補講 2019 チェコ・クロアチア・ハンガリー 〜

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はじめに

弊社が開催する経営研究会では、日頃なかなか得ることのできない新たな知見やこれからの市場において自社を成長に導くヒントを得ることを目的として、海外の現地を視察する「特別補講」を年2回開催しています。
今回 2019 年 6 月の視察は、経営研究会修了生を中心に全国から集まった12名とともに、チェコ(プラハ)・クロアチア(ドゥブロブニク)・ハンガリー(ブダペスト)を訪問しました。今回は歴史的遺産を現代的な活動にうまく取り込み、まちづくりや地域経済の活性化に活用している都市を巡りました。

(1) 蓄積された富の活用と再投資の始まり。

プラハ

一つ目の訪問地プラハでは大きくわけて二つのテーマで訪問をしました。ひとつは旧市街地、つまり神聖ローマ帝国時代・ハプスブルグ家の統治時代に蓄積した富を活かした経済の活性化とまちづくり、もう一つは社会主義時代の遺産、特に負の遺産をリセットして新たな経済を起こす起点とする活動です。
東京工業大学・田中助教のご案内で、旧市街広場など伝統的街並みやプラハにしかないと言われるキュビズム建築、そして18 世紀の建築物をショッピングモールにコンバージョンした事例を視察しました。この後、プラハ旧市街地の周縁部の旧工業地域の職・住混在型の地域への再開発、ブラウンフィールドであった地域の新たな開発とそこへの外資企業誘致による地域活性化、不動産価値の押し上げ事例を視察しました。戦争、社会主義時代に「温存」されたストックを活用したプラハの再興を垣間見ました。

(2)14世紀の遺産を現代に活かす。

ドゥブロブニク

ドゥブロブニクの市街地で最も注目したことは、観光資源としての歴史的遺産の使われ方です。機能や設備をきちんと現代的にアップデートしながら、稼ぐための使い方と暮らすための使い方をあまり明確に分離せず「日常が隣り合わせ」になっていることです。地域住民にとっては当たり前の日常を観光資源化する姿勢は、ともすると地域資源を日常から区別しがちな日本の手法とは違って新鮮に映りました。

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