地方創生まちづくりのヒントを探る
〜経営研究会特別補講 2019 チェコ・クロアチア・ハンガリー 〜

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(3) 都市のリハビリテーション。

ブダペスト

ブダペストではJETROの現地事務所を訪ねハンガリーの経済や社会状況についておおよそを掴むとともに、ブダペスト市役所の都市計画局を訪問、都市計画局長からブダペスト市の都市計画の現状とブダペスト市で実践される「都市のリハビリテーション」についてお話を伺いました。
ブダペスト市では、「ブダペスト2030」と銘打って2013 年に計画立案された街の活性化にむけた17 の目標が掲げられています。目標の例として、市として売り込みをしたい場所に関する情報整備とITを活用したデータベース提供による民間投資の誘導、公園整備を始めとする「市民による」市域の緑化支援、ドナウ川を中心とした人と川の共生のための緑化整備などがあります。目標の中で新鮮に聞こえたのが「都市のリハビリテーション」という言葉でした。中心市街地の約26万世帯分の住居は1945年以前の建物で冷暖房設備がなく、中庭がついている形式ですが、その外観を活かしながらアップデートする、これを「リハビリテーション」と呼ぶそうです。その背景には、特に1864−1904年までの40年間に蓄積された、ネオルネサンス、モダンなど様々な様式が使われた景観の美しさ持つ建築に対して次の世代につなげるべきブダペストの宝であるという共通価値観があります。豊かな時代を経てその後の社会主義体制、さらには体制転換を経ても「変わらない価値」を見出す姿勢に改めて感心しました。

終わりに

「経営研究会」は地域密着で展開する住宅会社、建設会社の経営者として社会に貢献する事業によって上を立て、適切な収益構造を持つことで自社の持続可能性を高めるための「経営」を学ぶ機会を提供しています。さらにこの特別補講は自社の持続可能性に加えて、地域の持続可能性を高めることにも貢献する企業になるための「ヒント」を探っていただく機会の提供として行っています。
自社の経営計画をきちんと策定・実践し、地域貢献企業をめざそうとする経営者の皆様のご参加をお待ちしております。

(矢部)

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