アフターサービスで顧客の感動を企業収益に変える
引き渡し後から始まる「住宅営業」

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住宅市場規模が縮小するなかで重要になる
「一人の顧客からの売上拡大」
縮小市場で持続可能な経営を行うための、
シェアアップと新たな価値提供

本誌の読者であればなんども目にしていただいている住宅着工数の減少を示したグラフ(図表 1)ですが、こうした状況に伴い市場規模は小さくなることが予測されています。このような市場規模の予測に対して住宅会社として何をすべきか。地域シェアを高めて件数を落とさないことはまず考えることです。加えて、売上は件数と単価の掛け合わせであることから取引単価を高めるための手を打つことも考えられるでしょう。例えば手間、不得意といった理由で外部に出していた外構工事を内製化することで獲得可能な売上、利益を自社に残す施策もその一つです。

一人の顧客と何回も取引をする時代に備えた「生涯顧客化」

先ほど見たような一回の取引における単価を上げるという考え方は、従来と変わらない、一人のお客様との取引が「建てる」という1 回の取引だけしかないという前提から来ています。
しかし、そもそも市場が縮小する、しかもフローの時代からストックの時代へと叫ばれて久しい昨今、「一人のお客様と何回も取引をする」という考え方にシフトしていくべきです。一人のお客様と何回も取引をするための基本は、まずお客様を囲い込み、生涯顧客化することです。顧客を生涯顧客化し、そこに対して「満足」と「感動」を与え続けることで顧客からのロイヤリティ(忠誠)を高め、その後の知人などの紹介、修繕リフォームやリノベーションの受注の可能性を高めることで、「一人のお客様と何回も取引をする」関係が実現します。

生涯顧客化と「生涯顧客価値(Life Time Value)」

「一人のお客様と何回も取引をする」ことで得られる収益、これを「生涯顧客価値(Life Time Value)」といいます。生涯顧客価値は一朝一夕には大きくなりません。図表 2で示したように、時間をかけて継続的に顧客に満足と感動を与え続けることで、顧客から見える自分の会社、自分の会社が提供するサービスへの忠誠を高めた結果、生じて拡大する売上の合計です。

ところで、満足と感動を与える、継続的にできる取り組みや企業力を示す行動にはどのようなものがあるのでしょう。担当が変わって引き継ぎがない、などのクレームがあるなか、編集部が考える取り組みは、例えば以下のようなものです。

この中でも特に「定期的に連絡をくれる」や「連絡が取りやすい」という、お客様から姿が見えていることは特に重要だと考えます。

「仕組み」で地域工務店にサービス提供する「家価値60年サポート」の真価。

人材不足を補いながら高品質サービスの提供で、ストックビジネス進出と顧客満足アップを実現するのが「家価値60年サポート」です。定期点検の案内や実施、住宅履歴登録の代行サービス、緊急対応も含めて24時間365日対応できるコールセンターなど、住宅購入者と住宅事業者の双方を60年間支える数多くのサービスがパッケージで提供されます。

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