シリーズ眼を養う#035
R+house 住宅のデザインを探る

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深澤 明 様

深澤設計

深澤 明

敷地は郊外に分譲された街区の1区画で静かな住宅街に位置します。それぞれの趣味の部屋や来客対応などのご要望はありましたが、ご家族に身体的ハンディキャップがあり、その介助のための工夫やバリアフリーが大きなテーマとなりました。

バリアフリーは身体状況によって個人差があり、教科書的な工夫だけでは必ずしも対応できないので、日々の暮らしや介助の仕方などについて、より丁寧にヒアリングを行い様々な可能性や提案について検討、ご相談しプランニングに臨みました。福祉車両も停められる屋根付きガレージ、そこから雨に濡れずに玄関に至る経路にはバギー(車椅子)に対応したスロープ、玄関の段差は最小限に、介助用品もしまえる玄関収納を確保、リビングの一角には就寝することもできる畳コーナーをキッチンからも見守れる位置に計画しました。

通路や洗面脱衣室を広めに確保し、基本的な生活は1階で完結しますが階段も勾配を緩くし、住まい手さんの当初想定以上に介助負担を軽減できたのではと考えています。

全体はシンプル切妻形状にガレージが寄り添う構成とし、1階玄関に光を導く吹抜、ゆったりしたスペースのベランダなど、設えも含めて特殊性が前面に出ない明るく自然な住まいが得られました。

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