シリーズ眼を養う#037
R+house 住宅のデザインを探る

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田野 滋一 様

田野アトリエ一級建築士事務所

田野 滋一

郊外に位置する敷地は、間口9.5m×奥行15.5m、北側道路からのアプローチで南側が開けた農地となっています。

建主は、休日家で過ごすことが多いとのことで広がりを感じるリビングを希望されました。また、かっこよさというよりはかわいさが感じられる外観を希望されたことが印象的でした。

屋根形状や窓の種類、レイアウトといった必要最低限の要素の組み合わせで、コストパフォーマンスの高いシンプルで無駄のないR+houseらしい建物ボリュームとかわいさを両立したいと考えました。

間取りは、1階がLDK、玄関、手洗い、トイレ、2階が主寝室、子供室、ファミリークロゼット、洗面脱衣室、UB、トイレ、バルコニーとなっています。建主ヒアリング時にUBなどの水回りを2階とすることを受け入れていただけたことで、下屋をなくしコストを抑えることができました。

1階は玄関に入るとLDKの広がりが感じられるおおらかさのある1室空間となっていてLDK南面の大きな掃き出し窓に面して、家族でBBQを楽しんだり、小さなお子様を遊ばせるウッドデッキを設えました。プランの中心に階段を設けることで、余計な廊下のない効率よい床利用を図りました。また、階段吹抜を介した建物全体の空気の好循環を実現したいと考えました。

道路に面した北側立面。2階オーバーハング下は、アプローチ、ポーチ、自転車置場として利用し、建物ボリュームを無駄なく活かしたいと考えました。

リビングからキッチンを見る。階段の右側が玄関。玄関~LDK~ウッドデッキ・庭の連続性のある平面構成とし、LDKが広がりを感じる家族皆が集まりたくなる場所としたいと考えました。

LDKから階段ごしに玄関方向を見る。LDKと玄関の仕切りは高さ1.6mの腰壁とし、階段下は家族皆で使うカウンターテーブルを設えました

1階トイレ隣の手洗い。3回目の建築家打合せは、加盟店から照明計画も含めたインテリア全般の提案も行われ、建主が楽しく仕様が決定できる密度の濃い打ち合わせとなりました。建主の趣向にあわせて、インテリア各所が加盟店のデザイナーによりきれいにまとめられました。

玄関は、LDKとつながりと広がりが感じられる土間スペースとし、帰宅時、気持ち良いなと思っていただける空間にしたいと考えました。収納はできるだけオープンにきれいに見せるためのレイアウトを考えました。

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