シリーズ眼を養う#038
R+house 住宅のデザインを探る

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石川 昂 様

アーキテクチャー・ラボ 石川昂建築設計事務所

石川 昂

庭付きの2階建ての住宅が建ち並ぶ郊外の分譲地の中に建つ住宅です。西側には敷地と高低差のある道路があり、その他の3方は住宅が建っている状況でした。
落ち着いてくつろげる場所を求めていたクライアントの希望。3台分の駐車場・アプローチスペース・庭・物干し庭という外部空間の確保。コスト面から高低差を法面で造成した方が良いことなどを考えると、建物と大きな外部という1対1の関係ではなく、建物と外部が連動して使えるように整える必要があると考えました。

そこで大きさの異なる3つのヴォリュームを敷地環境に合わせて配置し、建物と外部の関係を細かく整えられるようにしました。リビングダイニングや寝室の入った2階建てのボリュームを敷地の中央に配置し、隣家をあまり気にすることなく生活できるようにしています。そこに和室のヴォリュームとキッチンやユーティリティースペースなどの水回りが入った平屋のヴォリュームを南北に接続することで、玄関前には専用のアプローチ、リビングと和室はどちらも庭に面し、ユーティリティーからは物干し庭を使うことができるようになっています。敷地全体を使ってプライバシーを守りながら光・風を取り込んでいます。

延床面積29坪のコンパクトな住宅ですが、3つのヴォリュームの配置によって内と外の関係を丁寧につくることで、家族の生活を落ち着いて送れる住宅ができたのではないかと考えています。

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