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2020年10月26日に、菅政権が初心表明演説で「2050年までに温室効果ガスの排出をゼロ」とするカーボンニュートラルを宣言。ついで今年2021年4月22日の気候サミットで、2030年には2013年比でCO2を46%削減することを宣言しました。急に脱炭素に向けて騒がしくなった背景には、ESG投資の広がりで資金の流れが変わり、炭素の排出が多い国や企業は世界でビジネスができなくなってきている。つまり「ゼニの問題」があるのです。
日本で脱炭素というと、「怪しい」とか「面倒」とか、どうにも後ろ向きの意見が多く聞かれます。しかし、石油や石炭に頼らず、自然エネルギーで生活ができれば、健康快適な暮らしを電気代の心配なく送ることが可能になります。筆者は子供のころ、「石油はいずれ枯渇する」「地球は汚染されて住めなくなる」と聞かされて、とても怖かった。脱炭素への動きは、そうした不安を解消し、明るい未来を楽しく実現できる。素晴らしい可能性を大いに秘めています。都合が悪い一部の産業の流言に振り回されるのではなく、自分自身がどう暮らしたいのか、その実現にどう貢献できるのか。考えて行動する方がよほど前向きです。
朝は遠くの町まで遠距離通勤し、昼はビルに詰め込まれ、夜遅くに疲れ切って家に帰る…。こうしたコロナ前は当たり前だと思っていた暮らしは、エネルギーもCO2も浪費し、なにより生活を苦しいものにしていました。コロナ下でテレワークが普及すると、こうした以前の当たり前が、当たり前でもなんでもなかったことを思い知ります。通勤やオフィスで消耗させられることなく、住宅で快適に1日を過ごす。これで構造を木にするのはもちろん、太陽光発電を載せてゼロエネ住宅(ZEH)にして、さらに断熱で暖房を徹底的に減らせば、脱炭素もバッチリです。こうした住宅への集中投資はアメリカをはじめ世界中の傾向。住宅こそが、脱炭素社会と健康快適な暮らしを実現するカギなのです。その反動で木材が不足しウッドショックが起きているのは、なんとも皮肉ですが…。