脱炭素社会実現に向けた、地域工務店への期待
優良な地域工務店こそが幸せな脱炭素社会の担い手にふさわしい

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再エネタスクフォースで住宅の省エネを検証

残念ながら、日本では住宅の高断熱化や省エネがなかなか進まず、脱炭素に向けた絶好のチャンスを活かせていません。政府も現状を心配したのか、「再生可能エネルギー等に関する規制等の総点検タスクフォース」、通称「再エネTF」の5回目で、住宅の省エネ政策が検証されることになりました。筆者も20分いただいて、河野行革大臣と4人のTF委員・省庁関係者に、住宅の省エネ政策の問題、特に本来は2020年に始まるはずだった省エネ基準の「適合義務化」の見送りを取り上げました。日本には省エネ基準よりずっとレベルの高い住宅を建てられる「ピンの作り手」がたくさんおり、そうした人たちが家造りの担い手になるべきである。皆さんから教えていただいたことを代弁する気持ちでお伝えしました。

失望の脱炭素あり方検討会

再エネTFの指摘、河野大臣の指示を受け、住宅・建築の脱炭素への取り組み見直しを行うため、「脱炭素社会に向けた住宅・建築物の省エネ対策等のあり方検討会」通称「あり方検討会」がはじまります。しかし初回が4月19日、素案が出てきたのは4回目の6月3日。2か月もない短期間で、住宅・建築物の脱炭素という途方もなく大きな問題の議論が尽くせるのでしょうか。一部経済誌などに事前リークされた「ありきの結論」になったと批判されても仕方ありません。

素案では具体的な目標や達成手段は全く触れられず、「2030年新築平均でZEH」という一見すごそうだけど実は省エネ20%だけの低レベル…という言葉遊びでごまかされています。それを取り繕うように、日本人好みの脱精神論が並びます。「地球温暖化や省エネルギー対策について、国民にその必要性を理解してもらう」、「住宅・建築物分野の省エネ取組は、他の誰かがやるものではなく、国民一人一人に我がこととして取り組んでもらうことが必要」。

読んでいて、はて? と首をかしげます。住宅やエネルギーの問題は、一般の国民に一番の責任があるのでしょうか? 責任を取るべき専門家がどこか別にいたはずではないでしょうか?

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