住宅ビジネス専門誌である「新建ハウジング」の発行人であり新建新聞社の代表取締役が
目まぐるしく変わる今を読み解き、次に取るべき一手を語る!

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利益は川上と川下にしかない

スマイルカーブ戦略とは、利益率が上がりやすい上流と下流で利益を確保していく戦略で、笑った時の口のように見えるためこのように呼ばれています。住宅建築での上流とは、良いものを提案し作れるかどうかのデザインの部分であり、設計力に総称される部分です。設計力が弱いと利益が取れないですし、設計力が強いと利益が取れます。設計力がない状態でただ施工するだけでは適正な利益を確保できません。

一方、請負契約以降で利益が太くなるのは、住宅を引き渡した後からです。Apple製品を想像すると、アプリやゲーム等で利益を確保しています。住宅会社にとってのアプリやゲームとは、リピート受注や紹介受注等が当てはまります。つまり、スマイルカーブ戦略を住宅建築の視点で考えると、上流での設計力の強化と、下流でのアフターの対応力強化をしっかり行うことが利益確保につながると言えます。

また、今後は新規集客よりも顧客の満足度向上が重視すべきポイントになるでしょう。

もちろん集客も大事です。設計力が良ければ一定数の集客は見込めるので、そこにYouTubeのようなヒトの魅力を伝えられるコンテンツを重ねながら適切に集客をしていくことで、より多くの集客を実現できると思います。しかし、今後は集客に注力するだけでは利益を見込めません。今まで住宅業界は集客だけを追っていた部分があると思いますが、アフター以降の利益を考えると、集客に力点をおくよりも、顧客満足に力点をおいて取り組んだ方が良いでしょう。

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