住宅ビジネス専門誌である「新建ハウジング」の発行人であり新建新聞社の代表取締役が
目まぐるしく変わる今を読み解き、次に取るべき一手を語る!

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ロイヤルカスタマーをいかに作るか

CX=顧客体験、CS=顧客満足、ES=従業員満足、RE=評判を表していますが、これからはこの全循環を回すことが大事だと思っています。設計力と顧客対応力にデジタルシフト(DX)が重なることで顧客の体験が良くなり、その体験の積み重ねが顧客満足につながります。体験は一瞬ですが、その一瞬の積み重ねが顧客満足になり、顧客満足が積み重なると紹介をしてもらえるようになります。そうすると従業員も誇らしくなり、結果として給料も上がるので、従業員の日々の生活が良くなります。そして、最終的には顧客と従業員からの口コミで自社の評判も良くなっていきます。設計を中心とした全循環をいかに回しきるかが、ロイヤルカスタマー(ファン)を作るかにつながると思います。

加えて重要なことは、ロングライフデザインの視点です。

顧客満足を考えると、顧客の住生活をロングライフ=長期で考える必要があります。

長期的に見て、防水やメンテナンスなどのハード面を見直していくことが必要です。ハード面は差別化できるポイントがまだありますし、ハード面の強化ができていない工務店をハウスメーカーは攻撃してきます。あとは、スマイルカーブでの下流の部分である維持管理を行うなどのソフト面です。最終的には顧客のリセールスの手伝いをして、お客様のお世話を一生していく。このロングライフデザインの品質をいかに上げながら、CXやCSを高めていくかということが大事になります。

あと忘れてはいけないのは、施工品質も高めていく必要があることです。今後、軒ゼロ住宅になった時に施工品質が低いと時限爆弾を埋めているようなものなので、トラブルが増えるのではと心配をしています。今後は、施工品質がとても重要になってきます。

また、引き渡した後の顧客のサポートも非常に重要であり、しっかりケアしないとスマイルカーブが上がらないので、アフターを仕組化して取り組む必要があります。

アフターサポートをプログラム化することは必要ですし、必要であれば外部に任せることも良いと思います。

ロングライフデザインの品質が満足度の高めどころでもあり、利益確保のポイントでもあると思います。

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