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■ なぜ、空き家ビジネスに取り組んでいるのでしょうか?
やはり不動産会社として収益機会を見込めますし、社会的意義があるからです。空き家に携わろうとすると、相続を含めた財産コンサルティングのスキルや視点を求められます。これが自社の強みや特徴と合致するということもありますね。具体的に収益という観点で見ると、仲介するか、買取再販というケースが多いです。買取再販では、物件によってはリフォームして再販もありますが、更地にして売却というケースのほうが多いです。社会的意義という観点から言えば、空き家を放置する期間が長くなると劣化がひどくなり流通させるのが難しくなるので早め早めの対処が必要になります。また劣化した空き家は景観・防犯などの観点からも隣地や近隣地域の不動産価値を下げてしまい、結果として地域の不動産価値の下落につながります。そうすると物件単価が下がり仲介手数料も下がるので、不動産会社としても死活問題になるんですよね。それもあって相続前後での不動産流通を円滑にし、地域の不動産の資産価値を守っていきたいと考えています。
■ 実際に行っているセミナーの取り組みについて教えてください
今回、弊社主催で「実家の相続セミナー」を開催しました。もうすぐ実家を引き継ぎそうだという方や、既に引き継いだ実家が空き家になってしまっているという方を対象にしています。今回は私が一緒に事業展開している「不動産相続の相談窓口」の会員企業様向けにもオンラインで配信いたしました。
セミナーでは主に相続前後にはらむリスクや知らなければ後で後悔してしまう知識についてご紹介しました。処分の仕方についての勘違い、親が認知症になったらどうなるのか、家を維持するときにかかる手間は何があるのか、いざ売ろうと思っても実は売れないリスク、相続の仕方での失敗、税金知識がないことによる金銭的な損失、などです。こうした転ばぬ先の杖を示唆してあげられる事業者が少ないこともあり、多くのご相談を頂いて案件をお任せいただきますし、実際に悩みが解消されたお客様よりお喜びの声をいただいています。
お客様には、もし不安なら自分のような専門家に相談することを勧めますが、本来なら実際に住宅建築で関わった工務店や売買で関わった不動産会社がこうした相談に乗れることが一番いいと感じています。ただ相続などに関して知識がないから教えてあげられない、お客様に気付きを与えられないから相談が来ない、というのが現状です。そうすると案件化できません。そもそも、お客様からもそうした相談に乗ってくれる先だと認識されてないので、相談が来ないということもあります。こうした相談にいち早く乗り、地域の不動産流通を円滑にして、結果として地域の資産価値を守ることは、やはり社会的意義があります。また新たな収益機会を得ることにも繋がりますので、建築・不動産会社にとっては大きなチャンスになると感じています。今後、こういった取り組みをしてくれる会社が増えてくるといいですね。