太陽熱利用と再資源化 /3号 2009/10

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②BL部品を対象とした補助事業

優良住宅部品「BL部品」は品質、性能、アフターサービス等に優れた住宅部品に、「BL-bs部品」はBL部品に加え、環境、住宅ストックの形成・活用、高齢者・障害者配慮、防犯性、より良い社会の実現などに寄与する部品に対して、財団法人ベターリビングによって認定されます。
OMソーラーは優良住宅部品認定、BL認定(BL-bs部品)を取得しており、現在、東京都と横浜市においてBL部品を対象として実施されている補助事業に該当しています。
補助事業の対象となるには既定の機器を使用することやOMソーラーによりお湯採りを行うことなどが条件となりますが、市によって数万円から数十万円程度の補助を受けることができます。
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③平成20年度「住宅・建築物高効率エネルギーシステム 導入促進事業
(住宅に係わるもの)」(終了)

この促進事業は、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が指定する省エネルギー性の高い高効率エネルギーシステムを既築、新築、増築及び改築の住宅に事業者(建築主)が導入する際に、その費用の一部を補助されるというものです。

住宅の省エネ率が25%以上であること、品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)に基づく「建設住宅性能評価」を申請し「温熱環境に関する評価」の「省エネルギー対策等級」において「等級4」を取得することなどが、主な公募条件です。
補助率はOMソーラーシステムを含む補助対象となる機器の導入にかかった費用の3分の1、金額にして百数十万円程度となります。
(こちらは受付期間がすでに終了しております。)

以上、いち早く再生可能エネルギー促進策を当局に働きかけている状況が確認できます。当然、民主党政権下では促進策が更に拡大するものと予想されます。

太陽光と太陽熱利用のハイブリッド超省エネ実証住宅「エコスカイハウス」

2009年2月、三菱重工業より次のようなタイトルで、プレスリリースがありました。『次世代型超省エネ住宅「エコスカイハウス」、横浜市内でモデル竣工 三菱重工グループ菱興7社が実証開始、97%を自然エネルギーで賄えるシステムの実用化を目指す』。
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OMソーラーと菱興7社は、国土交通省から「平成20年度住宅・建築関連先導技術開発助成事業」の指定を受けて、2008年度に標準世帯が使う平均的エネルギーの97%を再生可能エネルギーで代替できるエコスカイハウスの開発に着手しました。モデルハウスを横浜市西区の三菱重工社宅敷地内に建設し、2009年2月から4人家族が生活するモニター実証に取り組んでいます。

画期的なコア技術としては、太陽エネルギーが持つ光と熱を同時に活用できる「太陽電池とパッシブソーラーのハイブリッドシステム」を適用している点です。
つまり、太陽電池裏面の温度上昇によって発電効率が低下することを抑制するだけでなく、回収暖気を居住空間の暖房や給湯に利用できるという2つの熱回収効果が期待できるということです。従来は複数システムを屋根面に設置する場合、設置面積がそれぞれ限定されていたものが、屋根の全面をハイブリッドシステムとして利用可能となり、太陽エネルギーの取得効率を高めることができるということになります。

モニター実証の期間は2010年3月までの1年間。室内外の温湿度、電力消費量など、四季を通じた省エネデータを取得し、適宜設計に反映させていくとのこと。こうした商品の開発には手間も時間もかかりますが、だからこそ人にも環境にもやさしいという理想をかなえることができるとも言えます。OMソーラーが目指す太陽熱を最大限に生かす技術は、まさにこれからの時代に即した技術の1つです。

私どもは、将来性を見込める事業という観点はもちろんのこと、地球環境のため、日本国としての国際公約を守るためにも努力される企業の先端情報を広く情報発信していきたいと考えています。
尚、既に7月14日に上記ハイブリッドシステムは「エコスカイルーフ」としてリリースされています。

(土岐)

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