ハイアス総研report

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「すでに起こった未来」から新たな機会を捉える〜「生活者1万人アンケート(野村総合研究所)」からみる消費価値観の変化とビジネスチャンスの創造〜

すでに起こった未来とは

「政治、社会、経済、企業のいずれにせよ、およそ人間に関わることについては、未来を予想してもあまり意味がない。だが、すでに起こり、後戻りのないことであって、一〇年後、二〇年後に影響をもたらすことについて知ることには重大な意味がある。しかもそのようなすでに起こった未来を明らかにし備えることは可能である」(『P.F.ドラッカー経営論集』)。これはP.F.ドラッカーの著書からの言葉です。

消費者の意識は常に変化し続ける

野村総合研究所が1997年以降2012年まで3年に一度、6回にわたり継続的に実施してきた「生活者1万人アンケート(野村総合研究所)」という調査があります。この調査をみると生活者の消費における価値観や志向の変化を経年で捉えることができます。その点でこの調査は「未来に備えるための情報」が詰まった調査であるといえます。

世の中に出現している“ すでに起こり、後戻りのない変化” には、人口のようにゆっくりとした、しかし確実で、大きな変化を見せるものばかりではなく、変化自体は小さく見えにくいけれど、起こった変化がもたらす将来市場への影響は大きい、そのような変化もあります。その代表格が生活者の「意識の変化」なのです。

例えば水。少し年齢の高い方々にとっては、「水を買う」という行為は子供時代には想像もつかないことであったはずです。しかし生活者の安全や健康などへの関心が高まり、消費の意思決定において重視する価値が変わったことで、水を買うという行為が普通のこととして世の中に登場し定着してきました。

この例のように、知らず知らずのうちに当たり前が変わってゆく、このような変化に気づくことは、将来の機会を獲得するためには重要なことです。

基本的な消費価値観の推移

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