不動産資産相談のプロフェッショナル集団を目指して
〜不動産コンサルティングノウハウを学ぶハイアークラブの取り組み〜

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第4回ハイアークラブ全国大会を開催

2015年6月9日に東京・目黒雅叙園におきまして、第4回ハイアークラブ全国大会が開催されました。「ハイアークラブ」は7年前から不動産コンサルティング手法を学ぶ全国組織として活動してきました。近年では「相続相談ができる不動産会社の全国ネットワーク」として認知いただくようになってまいりました。

今回の大会では「不動産業界のパラダイムを変革しよう」というテーマのもと、全国各地から多数のハイアークラブ会員が集結しました。

相続に関わる不動産取引というと、不動産オーナーが税理士をはじめ士業の先生方と相談に乗った後に、不動産の処分などで関わるのが一般的な不動産会社のポジションでした。ハイアークラブでは不動産会社様が「資産相談のプロフェッショナル」という立場に進化するために、これからも経験や情報を持ち寄り、その相談能力を高めあうネットワークであり続ける方針を共有しました。

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(全国大会風景)

不動産コンサルタントの現場実例

大会では「資産相談のプロフェッショナル」としてご活躍されているハイアークラブ会員の中から5名の方に活動事例のご発表をいただきました。相続相談を始めたきっかけは皆さま様々ですが、根底にあるのは「このままではいけない」というお言葉でした。

紙面に限りがありますのでサンヨーホーム大澤専務の事例をご紹介させていただきたいと思います。

サンヨーホーム様はある不動産フランチャイズに加盟され、茨城県の県南地域で売買・賃貸・管理を手がけられています。大澤専務が一人で不動産コンサルティングを手掛ける部署を立ち上げられたのが3年前。現在、定期開催している相続勉強会は累計で80回にも及び、この勉強会に参加したオーナーとの相談からアパートリフォーム、土地の売却、アパートの売却、投資家向けにアパートの販売等々実績を出されております。今もお一人で取り組まれておりますが、コンサルティング室の今期目標は5,000万円とされており半年たった今、達成の目途が立っておられるとのことです。こちらの収益は管理が取れた場合の管理収入などは含んでおらず、また買い取り案件については再販して利益確定するまで計上していないので、実際にはより多くの収益を会社にもたらしておられます。

今では勉強会講師を堂々と務められている専務ですが、3年前までは「相続のことなんて全く知らなかった」と仰られます。

大澤専務が相続相談を始めたのは「単純な売買や賃貸は件数も単価も減少するのは目に見えているので、何か収益を上げるものが必要と感じた」、「管理オーナーからの相続相談に乗ってあげられなかった」、「管理オーナーが相談している税理士からの紹介で別の不動産会社で土地の売却を進めてしまっていた」などがきっかけでした。

不動産コンサルティング室を立ち上げ、まずは「相続相談できますよ」と告知したものの一向にお客様が現れないので勉強会形式で進めることを計画。ただ勉強会といっても、何を話せばよいのか、質問が来たらどうしよう、集客は大丈夫か、など多々ご不安な中でのスタートだったと仰っています。初回の勉強会は冷や汗をかきながらだったそうですが、あるオーナーから「大澤さんこういう相談できるんだね」と言われたことをきっかけに勉強会を継続していくことを決意されます。

勉強会を軌道に乗せるコツをうかがってみると、少人数定員(5名程度)で会話のキャッチボールをしながら進めることだと教えていただきました。勉強会中にハイアークラブ会員の皆様にはお馴染みの「相続クイズ」を用いてお客様に「例えば相続財産が3億で、家族は親がいて子供が何人で…」と事例を投げかけながらシミュレーションをしているうちに、お客様の方から「自分の場合はどうなるのか?」と聞かれる機会が増えるそうです。

集客ゼロでも開催を継続することで近隣市場での認知度も徐々に向上し、一度勉強会に参加された方は平均4.8回参加されているとのことです。接触回数が増えるだけではなく、勉強会講師を行うことで「営業」の立場から「先生」の立場に変わりオーナーからの信頼も得やすくなったと実感されていらっしゃいます。

いまでは勉強会連続参加のお客様からは50%以上の確率で個別相談へステップアップし、有料のコンサルティング契約も取れるようになっているそうです。

自ら動いて顧客との接点を作り出し、試行錯誤を繰り返しながら経験を積んでいかれた、見事なコンサルティング事業立ち上げの事例でしたが、大澤専務のように行動し、提案していけるのだろうかと心配になられる方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

ハイアークラブでは、勉強会講師を自社で開催し顧客との接点を作り出していただくために、「セミナー講師養成講座」という研修を行っておりますが、実際の個別相談をいかに進めるのかを学ぶために新たな研修を行うことを発表しました。

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