契約棟数を上げるためには、「まだ先客」から契約を取る/創刊号 2009/7

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国土交通省の「住宅需要実態調査」によると「住宅住み替え計画が困難な理由」のダントツ1位は、「返済能力が不足している、もしくは将来その可能性がある」。つまり、「資金的な将来不安」が圧倒的に多いということです。
そう考えると、建築意欲を醸成するロジックは、それ自体は難しい話ではありません。業界に身を置く工務店の経営者、営業マンの方なら誰でもわかることですが、「建築時期はいつにするのが最も良いか」という質問に対して、大半のお客様にとって「今すぐ建てたほうが良い」というのが正解になるのは明らかです。
問題は「何をどのようにして伝えるか」です。資金云々と言うと、勘違いの甚だしい営業マンは、「私も資金計画はしっかりやっています」と答えます。何をやっているかというと、年収を聞いて、借入限度額の概算を出し、返済の資金企画を作って、それを渡しています。これはまさに逆効果です。これだけ景気が悪いと言われているわけですから、ますます返済リスクのことばかりを考えるようになるでしょう。
A社ではどのような方法を取っているか、その概要を以下でお伝えします。
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結論としては、上画面の「Simulation 1」から「Simulation 3」までを、お客様と楽しみながら実施し、最後に、「住まいと人生のキャッシュフロープランニング」を実施しているだけです。
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ビジュアルで絵が動いたりグラフが動いたりしますので、お客様も比較的盛り上がり、あっという間に60分程度の時間は経ってしまいます。その間、無理なく返済できる額からの借入金額をアドバイスし、建築時期別の60歳時のローン残債のシミュレーションを出し、さらに、子供が公立高校に行く場合、私立大学に行く場合、旅行や車の買換えのコストなどを考えると、何歳の時の貯金残高はいくらか、こまやかにシミュレーションを行います。終わった時には、あらゆる人生の要素を加味した人生全体のシミュレーションが数パターンできています。当然ながら、子供の教育費などの細かな支出まで含めて人生全体のアドバイスをするわけですので、ほんのわずかなトークを付加するだけで、営業マンに対しての信頼度は飛躍的に高まります。

見栄えの良い過去のプリントアウト事例を軽く見てもらい、「今日の結果はプリントアウトしてお届けしますね」の一言で記名とアポが取れ、ここで行ったシステムの一部に一定期間無料でログインできるIDを渡しておけば、次回の面談は、さらに盛り上がるとのことです。面談時には、「必要であれば、他社も見てきてくださいね。ただし、家の説明ばかりして話を進めようとする営業マンは注意してください」と伝えておくと、ほとんどのお客様はA社にまた戻ってくるようです。「他社の営業マンはうちのこの状態のお客様に対して、必死で家の説明をしているのですから、申し訳ないですよね」と、A社の取締役営業部長は言います。
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弊社では、「ハイアーFP」というこのシステムの使用方法を、A社取締役営業部長の細やかなトーク集として取りまとめ、「誰でも同じような接客ができること」をコンセプトに、毎月研修会をやっています。1日の研修で多くのことを吸収し、喜んで帰っていただきますので、講師陣もやりがいのある研修として、自らが楽しんでいるようです。

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