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「20年までに新築住宅・建築物について段階的に省エネルギー基準への適合を義務化する」という方針がかわり、住宅が大半をしめる小規模建物(300m²未満の小規模住宅・建築物)については「省エネルギー基準への適合を義務化せず」、「建築士が建築主に対し、省エネ基準への適合可否などの説明を義務付ける」と示されました。
その根拠には、「適合している住宅をいまだに60%前後しか提供できていない」、「いまだに基準への適合に対応できない事業者が多数存在」することが挙げられています。
2011(平成23)年に成立した法律をうけ、2020年を待たず自社の省エネルギー基準への適合義務化に対して真面目に取り組んできた事業者にとっては、省エネ基準適合の義務化が見送られたことに失望の声もあるようです。
国が掲げる方針として省エネや国民の健康に関係する基準がないことは問題ではありますが、事業者として「建築主様の財産としての住まい、健康を守る空間としての住まい」を提供することは、適合義務化ルールがあってもなくても変わらない、と私たちハイアス・アンド・カンパニーは考えています。
説明が義務となることは、これまで真面目に取り組んでいなかった事業者にとって実は一層苦しくなることが考えられます。「省エネ基準に適合しているかどうか」を必ず説明しなくてはいけないわけですから、これまで以上に住まいの性能次第でランニングコスト、快適性、そしてなにより健康に影響が出ると知っている、高性能な省エネ住宅に関する「知識」と「強い要望」を持った「賢い消費者」が増えます。
一方説明をする側は、設計時の省エネ計算は必須です。していなければ説明できません。国土交通省の資料にある(公社)日本建築士会連合会が実施した建築士へのアンケートでは、建築士の20%程度が「対応が難しい」と答えています(図表2)。別の団体の調査では、中小工務店でも省エネ計算ができない会社が半数近いという調査結果もあります。
国の住宅政策の方針転換があろうとなかろうと、事業者はこれまで通り住まい手に価値と利益をもたらす家づくりのための省エネ性能向上を実現する取り組みを着実に継続するだけです。
住まい手に価値と利益をもたらす家づくりのための省エネ性能向上を実現する取り組みを着実に継続するだけです。住まい手にとって価値と利益をもたらす家づくりを実現するため、省エネ基準やZEH基準の適合クリアレベルではなく、HEAT20が示すG1、G2ほどの高性能な家づくりを実践してきたはずです。もちろん快適性のための気密性能向上も必須です。