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スカイテラスと秘密の書斎が欲しい。この組み合わせは初めての依頼でした。
敷地の東と西には3階建てが建ち、南側は崖条例で寄せる事が出来ず、せめぎ合う条件の敷地をどう使えばよいのだろう。
スカイテラスもあるなら2階リビングにしたほうが使いやすくて広くとれると想定できたのでお施主様にまず提案しました。
デメリットに思える条件をプラスに変えられないだろうか。
崖条例で造らないといけない擁壁は寝室と浴室の目隠し塀に、1階の採光、車半分のガレージ、一つずつ建築条件と要望をクリアしていく中、これが楽しい特別なものになればいいなと思いながら、プランを進めました。
結果、スカイテラスがもたらすプランの面白さに気づくことになりました。2重に重なる階段の迫力、階段周りに吹抜を絡ませることでスカイテラスの光を感じる玄関、上から光が降り注ぐという感覚。想定内で想定外の面白さを発見しました。
さて、秘密の書斎はどこにしよう。小上がりの和室の扉を開けるとさらに小上がりの秘密基地。ここは行き止まりだけど、吹抜に面してるので小窓をとろう。
ここから玄関のお客様をお迎えしたり、姿は見えないけどキッチンにいる奥様に声かけられるといいかもしれない。おまけに浮遊感のある書斎ってどんな気分だろう。そんなことを考えながら、まとめていきました。家事動線は最短距離で、
キッチンからはすべてが見渡せることは、私が設計をする上でのいつもの条件です。
お施主様が毎日、楽しく快適に過ごして欲しいといつも願っています。
スカイテラスがある事を感じないシンプルな外観、オーバーハングしている部分は車が半分入るガレージ的スペース。雨にぬれずに玄関へとアプローチ。
板張りの後ろに玄関と地窓があるが道路より直接中は見えない。砂利と植栽で少し和なテイストを演出
2階のLDKからスカイテラスへの階段をみる。キッチンの前奥には玄関とつながる吹抜があり、家族の帰宅の気配を感じられ、上にはスカイテラスとつながる吹抜とハイサイドがある事で、終日柔らかな光を感じることができる。
キッチンの奥は効率的に家事がこなせる収納重視の奥様の書斎、小上がり和室のアーチ型開口がご主人の書斎
ご主人の書斎/扉を閉めれば書斎がどこにあるか分からない。
内部は和室からさらに小上がりになっていて、床を彫り込んで座れるようになっている。室内窓は玄関の吹抜につながる。こだわりがつまった特別な空間
2重に重なる階段を玄関から見上げる。階段の迫力と降り注ぐ光で玄関を演出。
玄関からスカイテラスの窓が見え、空まで見えるのが魅力的
スカイテラス/完全なプライベートな庭、隣家や道路からの視線を気にすることなく外の空間を楽しむことができる。食事をしたり、夜風を楽しんだり、吹抜を含んだペントハウスの窓から室内を覗くのも楽しい。
敷地の南側隣地、桜の木々に向けた眺望をリビングルームに取り込むために2階にLDK+家事室・バスルーム、1階は3寝室+ファミリークローゼットと書斎のプライベートエリアとして配置計画。
階段は建物のほぼ中心を貫く位置に配し、玄関近くで帰宅時の手洗いをすませ、2階LDKへ。廊下を極力避け、限られた床面積を有効に使う上下の動線計画としています。
また、この階段は2階上部のロフトまで繋がり、建物に一体感と生活体験に面白みをもたらす重要かつ楽しくもある装置(上下移動による見え方の変化を生み出し、見え隠れするスクリーンとしての役割など)として構成。
生活の中心を担うのは2階。上部ロフトと吹抜けで繋がり、キッチン・パントリー・家事室などの作業動線を回遊し階段と直結。買物の搬入、ゴミ出し、洗濯衣類の片付け、等々からのストレスを和らげ家事のし易い計画としました。
また、家族が一つ所に寄り添って楽しい時間が過ごせるよう、食事の準備をしながらリビングでくつろぐ家族の様子を見たり、宿題をする子供たちとスケルトンの階段越しに目線や言葉を交わし、食事の後片付けをしながらロフトではしゃぐ子供達の様子も感じられる空間を思い描いて設計しました。
2階のLDKは間仕切らずワンフロアの中に連続していろいろなコーナーのように見え隠れさせて配置。屋根勾配を利用した吹抜けや上部ロフトを一つの空間とすることで、一体感・上昇感・開放感といった変化と面白味のあるリビングに。
ロフトからリビングを吹抜け越しに見下ろす。吹抜は屋根勾配に合わせた天井にし、ロフト(小屋裏収納)とつながっている。リビングは窓越しのバルコニーへの広がり感と上部吹抜けへの上昇感によりコンパクトながら開放感のある場となっている。
玄関近くに設けた大容量のファミリークローゼットは寝室への通路を有効活用。来客時のコートも玄関先で預かりしまえる。造作棚に市販の収納ボックスを設置することで家族にあった使い勝手をカスタマイズできる。
子供たちの宿題、端末検索、テレワークなども想定したコーナー(フリースペース)は、上部ロフトに通じる階段下を利用して配置。そこは見え隠れを演出するスクリーンのようなスケルトン階段を通してキッチンに立つ家族とコンタクトができる。
食事の準備をしながらリビングでくつろぐ家族の様子を見たり、宿題をする子供たちと階段越しに目線や言葉を交わし、食事の後片付けをしながらロフトで遊ぶ子供達の様子も感じられるキッチン。日当たりの良い大きな窓越しに緑も楽しめる。