シリーズ眼を養う#039
R+house 住宅のデザインを探る

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飯塚 一樹 様

株式会社イイヅカカズキ建築事務所

飯塚 一樹

土間と吹抜けがつなぐ繭の家

敷地は閑静な新興住宅地の角地で、子育て世代4人家族でそろばん塾のある店舗併用住宅の計画である。

建主の要望は明確で、「繭塾」というそろばんとプログラミングの塾をやりたいと言う事、玄関を広い土間として塾と住宅の玄関を兼ねてもよいが塾と住居部分の動線はしっかり分けたいと言う事、「繭塾」の名前のイメージに沿った白くて包み込むような外観にしてほしいと言う事だった。

そして、「繭塾」への想いをお伺いしたところ「自分の子育て感から繭塾への想いが子供達の個性をやさしい繭で包み込み、将来に向かって自分の力で羽ばたく力をつけてもらいたい。」、将来的にはご夫婦で塾を運営していきたいという強い想いを知り、この塾の運営が家族にとっての日常生活であり、子育ての一部となることが共有できた。

そこで1階は塾と家の動線とゾーンを分けるために土間と吹抜けを建物の中央に配置し、塾と家で兼用することで緩やかに繋げる場となるように計画した。さらにその土間と吹抜けに引き戸を設ける事でプライベートなリビング空間を確保したり、状況に応じて引き戸を開けることで空間が拡張できるようなフレキシブルな家をご提案した。

また、2階はプライベートな空間をまとめ、塾側からは生徒の視界を遮ることができる平面と断面計画とすることでプライぺートな生活が送れるようにした。

さらに、土間と吹抜け空間には光、暖気、冷気の通り道としての家中の温度差を無くすための煙突の役割と視界の抜けや空間の広がりを感じさせる役割も持たせている。

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