時事所感

繰り下げ受給年齢を75歳まで拡大を検討中、の意味するところとは?

今回は年金制度についてです。政府は年金受給開始年齢を75歳まで繰り下げることを検討しています。
さて、その意味するところとは何なのでしょう。

 

日本の年金制度が心配される理由は?

「日本の年金制度って大丈夫なのか?」と懸念される話は常にあって、若い人にとってはすでに常識となりつつあります。

日本の年金制度がなぜこんなにも心配されるのか、というとこれまで制度を維持できてきた前提が崩れてきているからですね。

日本の年金制度は、現役世代が現在毎月払っている年金保険料を今の年金受給者が受け取っています(これを賦課方式といいます)。
これまでは、現役世代の方が受給世代よりも人口が多かったので、年金保険料の納付額の方が年金の支給額を上回っていました。だから年金受給者への支払いに困ることはなく、むしろ毎年余剰分が生まれていました。その支給額を上回った余剰分は積み立てられていて、その積立金を管理しているのが「年金積立金管理運用独立行政法人」(通称GPIF)ですね。このGPIFが管理・運用している積立金の総額はなんと160兆円以上。世界で最大の年金基金です。

しかし、日本はすでに少子高齢化社会に突入しています。このまま現役世代が減り、高齢者が増え続けると、年金の支給額が納付額を上回るようになります。そうなると年金支給額が不足します。その不足分はこれまで積み上げてきたGPIFの積立金を取り崩しながら対応していくことになるでしょう。
いくら世界最大の年金基金といえども、今のペースで少子化と高齢化が続けばいずれ枯渇してしまうのではないか、ではこの先も年金制度を維持するにはどうすればいいのか、というのが日本の年金制度が心配されている理由ですね。

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HyAS&Co.Blog 2019年11月12日 火曜日 17:51 投稿者:HyAS&Co.川瀬太志

そもそもなぜ世界はキャッシュレス化を目指すのか?

今回は「キャッシュレス」についてです。日本人は現金信仰がある、って本当にそうでしょうか?

 

■急速なキャッシュレス化に戸惑う人たち

10%への消費増税とともにキャッシュレス支払いのポイント還元が始まりました。
クレジットカードや電子マネー、QRコード決済と様々なキャッシュレスが一気に加速しはじめた感じがします。私は日本において社会がキャッシュレス化していくのは大いに結構なことだし、必要なことだと考えています。ただ、世の中の急激な変化に対しては、必ず懸念を感じる人たちがいるのも事実ですね。
↓↓↓

<キャッシュレス化が生む「支配者」>
(2019年10月20日付 朝日新聞)
『クレジットカードや電子マネー、スマートフォンアプリを使ったQRコード決済――。官民挙げたキャッシュレス化の波が押し寄せている。支払いが便利になる一方で、思わぬ死角も見え始めた。』

この後、記事は、カフェのキャッシュレス支払いだけに特化した実験店舗の例を挙げて、その弊害を伝えます。(以下『』内は同記事より引用)

メリットとしては、

『レジ締めや銀行への入金など1日約2時間分の作業が削減できた。』

一方で、弊害としてコストアップもあると指摘しています。

『一般的にキャッシュレス決済は、代金の約3~5%の手数料を決済事業者に支払わねばならない。せっかく削った人件費も、新たな負担で相殺されてしまうという。』

さらにキャッシュレスについていけない人たちが排除されていると訴えます。

『もう一つはお年寄りを結果的に排除してしまっていることだ。休日、皇居の参観に訪れる高齢者から「なぜ現金が使えないのか」と不満が寄せられるという。』

さらに、これはリスクとしてよく言われていることですが、キャシュレスで個人情報が運営事業者にとられるリスクを指摘します。

『キャッシュレスで便利さを享受する一方で、利用者は決済事業者らにいつどこで、何を買ったかなどのデータを渡している。そのデータがどう使われ、どこに流れているのかに目を光らせないと、いつの間にか個人が「丸裸」にされていることになりかねない。』

『キャッシュレスの「戦国時代」を生きる決済業者は、新たな「ルーラー(支配者)」への道を先に見すえている。』

と、消費者にはよく見えない恐怖をあおります。

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HyAS&Co.Blog 2019年10月29日 火曜日 15:52 投稿者:HyAS&Co.川瀬太志

日本の外食企業が海外で成功していくために必要なこととは?

今回は、日本の外食企業の海外展開についてです。外国で日本のおなじみのお店に出会うとほっとしますよね。
さて、その成功の秘訣は何なのでしょう?

 

■外食企業の海外売上高比率が上がっている

外食産業は国内の食の需要に対応する業界なので代表的な「内需型産業」と言えます。
人口が減少している日本では、内需を盛り上げることはなかなか困難になってきています。
そんな中、外食産業が活路を見出しているのが、海外ですね。
その動きが加速しているようです。
↓↓↓

<小売り・サービス10%迫る  海外売上高比率、さらなる引き上げには壁>
(2019年10月11日付 日本経済新聞)
『人口減少で国内市場が縮むなか、内需型企業が海外に活路を求める動きは年々強まっている。上場企業では小売業やサービス業の売上高に占める海外の比率は10%に迫ってきた。拡大を続ける「グローバル内需」を取り込み、持続的な成長につなげようとしている。』

外食などのサービス業は「日本だけの内需」から「グローバルな内需」へと展開を進めています。
全体の売上高に占める海外での売上高の割合が10%に近付いているそうです。
海外売上高比率は、昔からグローバルに事業展開している自動車や電気機器など製造業では70%前後ですので、外食や小売りはまだまだではあります。ただ、ほんの5年前までは4%弱くらいだったそうですから急増と言っていいでしょう。

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HyAS&Co.Blog 2019年10月15日 火曜日 15:01 投稿者:HyAS&Co.川瀬太志

内部留保を積み上げている日本企業は悪なのか?

今回は「日本企業の内部留保の使いみち」についてです。
日本企業が内部留保をためこんで使っていないって本当なのでしょうか。

 

■「内部留保がたまっていく企業はイノベーションが起きない」って、ん?

「大企業は儲けたお金をためこんでいる。
もっと有効にお金を使ってもらわないと経済が活性化しない!」というような話、割とよく耳にします。
この記事もその類だと思うのですが、ちゃんと整理して考えた方がいいと思うのです。

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<M&Aに減税措置検討 甘利自民税調会長に聞く 内部留保の活用促す>
(2019年9月30日付 日本経済新聞)
『自民党税制調査会の甘利明会長は日本経済新聞のインタビューに応じ、M&A(合併・買収)への減税措置を検討する方針を示した。
企業に利益の蓄積である内部留保の活用を促す。
投資額の一定割合を税額控除する案を検討対象に挙げた。2020年度税制改正大綱に盛り込む。』

日本企業が自社だけでは出来ないような事業や技術を取り込むために、
投資をしたり、連携したりすることを税制面から後押ししますよ、ということのようです。

M&Aへの減税措置自体は企業の投資活動を促進する上で結構なことだと思います。
ただ、気になったのはここです。

↓↓↓

『甘利氏は日本企業の内部留保が18年度で463兆円と7年連続で過去最高を更新したと指摘した。
「内部留保がたまっていく企業はイノベーションが起きていない」と述べた。』(同記事)

内部留保がたまっていく企業はイノベーションが起きていない?
ん?
内部留保とイノベーションって関係があるのでしょうか?
そもそも内部留保がたまることは悪いことなのでしょうか?

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HyAS&Co.Blog 2019年10月1日 火曜日 15:20 投稿者:HyAS&Co.川瀬太志

中古住宅流通+リフォーム市場を活性化するためのポイントはなにか?

前回は、「賃貸派が増えている」という話でした。今回は「中古住宅も増えている」という話です。
「新築・持ち家・一戸建て」が主流だった日本人の住宅への志向も時代とともに変化しているようです。

 

■中古住宅市場が首都圏を中心に拡大している

日本人の住宅との向き合い方が徐々に変わってきているようです。
特に「持ち家」は個人の家計や資産形成に、そして国にとっても経済政策上に影響を与えます。
要注目ですね。

さて、首都圏を中心に中古住宅を買う人が増えているようです。

↓↓↓

<中古住宅市場 首都圏マンション中心に拡大>
(2019年8月24日付 日本経済新聞)
『日本人は住宅の「新築信仰」が根強いといわれているが、マンションを中心に中古市場は徐々に拡大してきている。
新築着工戸数と既存住宅の取引戸数を合わせた住宅流通に占める中古取引の割合は、7~8割に及ぶ欧米には及ばないが、
2013年の15%から一段と高まっている可能性が高い。』

不動産経済研究所などのデータによると、首都圏のマンション市場では、新築と中古がほぼ均衡しているようです。
2018年の首都圏の新築マンションの供給戸数が3万7,132戸だったのに対して、中古マンションの成約件数は3万7,217戸でした。
背景にあるのは、新築マンションの価格が高騰しているのに対して、
利便性が高く状態のよい中古マンションが十分供給されていて、新築に比べて割安感が強いことがあるようです。

団塊世代がリタイアする年代になって、都市部のマンションを売って住み替えするケースが増え、中古マンションの供給が増えています。
そういう中古マンションを、都市部で働いていて利便性を重視する若い世代が買っています。
最近では、中古マンションを安く買って、自分たちの好みの間取りや仕様にフルリノベーションするケースも多いですね。

この傾向は、大阪、京都、神戸など近畿圏でも見られますが、名古屋や福岡など土地の相場が高くてマンション市場である都市部には次第に波及していくものと見られています。

(さらに…)

HyAS&Co.Blog 2019年9月17日 火曜日 17:04 投稿者:HyAS&Co.川瀬太志

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